6月4日、カナダ政府のクラウンコーポレーションで、住宅ローンの保険を提供する、CMHC(Canada Mortgage and Housing Cooperation)は、その資格審査基準変更を発表しました。この基準変更は、7月1日から有効となります。

審査における変更内容

  • 住宅購入者ローンの住宅に関する総債務返済率(GDS)が、39%から35%、また、住宅関連以外も含めた合計債返済率(TDS)は、45%から42%に変更 
  • 最低信用スコアーを600から680に引き上げ
  • 債務を増やすような、頭金の出所を禁止。(クレジットカードや、ラインオブクレジットなど)家族からのギフトとしての頭金は、返済無用であれば、引き続き、頭金にできる。

モーゲッジ保険が必要なケース

通常、住宅ローンの頭金は、家の購入価格の20%になります。多くのバイヤーは、それ以下、最低5%の頭金で、住宅ローンを組むことができますが、その場合、CMHCなどが提供している、住宅ローン保険を購入することになります。頭金の詳細としては、

  • 家の価格が$500,000以下、最低頭金5%〜
  • 家の価格が$500,000以上、$500,000までは、最低頭金5%、それ以上は、最低頭金10%
  • 家の価格が1ミリオン以上は、住宅ローン保険の適応不可 (したがって、1ミリオン以上の家の購入には、最低20%の頭金が必要)

この規制による影響は?

CMHC は、「パンデミックによる、失業、事業閉鎖、移民への影響が、カナダの住宅市場に悪影響を及ぼしているため、より、詳細な住宅ローンの監視が必要である。」と言っています。

この審査基準の引き締めは、7月1日より有効となるので、それまでに、モーゲッジのアプルーバルを取ろうとするバイヤーが増えることも予想されます。それ以降、CMHCの意向のように、不動産購入者に大きな影響を与えるのでしょうか。

CMHCは、カナダ政府が関わる、最大の住宅ローン保険ですが、これ以外に、カナダでは、同様の保険を提供するプライベートの会社、Genworthと、Canada Guarantyがあります。この二つの会社もCMHC同様の保険を提供しており、今の所、これらの会社は、CMHCの動きに従うことなく、審査基準を変更しないようです。このように、消費者には、他のオプションがある限り、CMHCの基準規制も購入者、さらに、不動産市場に与える影響は大きくないと思われます。