3月19日、カナダ連邦予算が発表されました。その中での住宅関連、特にファーストタイムバイヤーの住宅購入を援助するための方針も2点、取り上げられています。

1、ファーストタイムバイヤーのインセンティブ

CMHC(Canada Mortgage and Housing Corperation)を通してモーゲッジを組む、資格のあるファースタイムバイヤーは、中古物件の場合は、5%、新築物件の場合は、10%のインセンティブが受けられるようになります。また、そのインセンティブ額に対しては、月々の返済義務もありません。返済は、必要ですが、今の所、家を売却した際に、返却する方向のようです。詳しい内容は、今後、数カ月以内に発表される予定で、このプログラムは、2019年9月までには、施行される予定です。

このインセンティブを具体例であげれば、もし、バイヤーが、$400,000の中古住宅を5%($20,000)のダウンペイメントで、購入する場合、通常は、モーゲッジの額は、$380,000となりますが、このインセンティブで、$20、000受けられるので、モーゲッジの額は、$360、000となり、月々の返済が、かなり減る事になります。

現段階で、発表されたこのインセンティブの補足内容:

  • 対象のファーストタイムバイヤーは、住宅保険会社である、CMHCを通して、モーゲッジを組む場合のみ。(CMHCを通すのは、High ratio mortgage/ Low down payment mortgageと言われる、ダウンペイメントが、家の価格の20%に満たないバイヤーのみで、CMHCは、モーゲッジを出す銀行や、金融機関のリスクの高いバイヤーのモーゲッジをカバーする保険を提供する。)
  • このインセンティブが利用できるのは、世帯収入が$120、000以下のファーストタイムバイヤーに限る。また、そのモーゲッジの額は、世帯年間収入額の4倍まで。

2、ホームバイヤーズプラン(HBP) 出金額の上限を、現行の$25,000から、$35,000に引き上げ。

このHBRプランは、家を購入する際、ファーストタイムバイヤーの資格があれば、本人の RRSP(年金口座)から、無税で出金して、家のダウンペイメントとして使用できるプランです。返金期限は、15年間あります。HBRが施行されてから現在までに、290万人のファーストタイムバイヤーがこのプランの恩恵を受けたようです。

以上、年々価格上昇の続く、住宅事情で、これから、特にミレニアルの世代(1981年〜1996年生まれ)が住宅購入世代となっていくにあたっての、政府の援助ですが、特に、インセンティブに関しては、組めるモーゲッジの最高額制限からすると、最高額で、$500、000の住宅となりますから、住宅価格平均値が、すでにその価格を遥かに超えているトロントなどでは、インセンティブがどこまで、使えるか、現実的には難しいかと思います。