不動産を売却する際、どこまで売主は物件について開示する必要があるかは、法的に決められた原則があります。現在、コロナウイルスによる、ソーシャルディスタンスが必要とされ、家の見学もバーチャルショーイングなどで、主な見学を済ませるケースも増えており、買主の見落とすところもありうるので、ここで、下記にその開示の原則をまとめます。

  • 実際に見て明らかな欠陥は、特に開示する必要がない。例えば、床のタイルが割れているなど。(注意:壁に傷がついていて、そこが絵画で隠れているような場合も、買主は、その絵を退けて壁の確認ができるので、売主が開示義務を怠ったことになりません。)
  • 買主の購入の決断に大いに影響を与える、重要な潜在的欠陥は、開示しなければならない。
  • 家に住めない、もしくは、危険を伴う状態で、売り手がその問題を知っている場合。(例:家の基盤の問題、修復されていない大きな水漏れ、壁の後ろのカビ)

基本的に、後々の問題を防ぐためにも、売り手は、物件に関し、知っている限りの情報を開示することをお勧めします。また、買主は、見落としがないように、よく注意して見学しましょう。

また、開示が必要かどうか問題になる内容に、家で、殺人があった、自殺者が出たなどの情報があります。2006年にケベック州で、買主が家を購入した後、その10年前に、売主の息子が家で自殺をしたことを知り、訴訟を起こしましたが、裁判官は、売主は、その情報を開示する必要はないという判決を下しました。現在では、不動産弁護士によると、買主により、その情報は購入の判断を大きく左右する内容にもなりうるので、後々の問題を避けるためにも、開示することを勧めています。

買主のエージェントは、買主をプロテクトする義務があります。グーグルでアドレス検索をする、近所の人に情報を求めるなどで、家の情報を得ることも一案です。また、オファーに、「売主は、家で殺人、自殺などがあったことの認識がないことを保証する」といった内容の項目を入れる事も、家にそういったスティグマがない事を明確にするための方法として有効です。