不動産市場が活発であった、コロナウイルスの非常事態宣告が出る前、今年の3月中人までに家を売却して、クロージング(決算日)を待っている売り手にとっては、予定どおり、クロージングできるかどうか、心配にもなるものです。

今年に入ってから、グレータートロントでは、家の売買が活発で、マルチプルオファー、いわゆる、数件のオファーが入り、売却値が提示価格の20、30%増しになることも珍しくない状況でした。そんな市場の最中に出された、コロナウイルスの非常事態宣告で、ソーシャルディンタンスが奨励され、家の見学もままならなくなり、また、経済的な先行きの不安から、家の購入を一旦中止するバイヤーも続出、同時に、家の売却を一時中止にするセラーも多く、売り物件も激減、現在、市場が半休止状態になっています。ですから、その市場が活発な時に売買契約が締結された場合、セラーにとっては、きちんと契約通り取引が完了するのか、不安になるのも当然でしょう。

実際、私のお客様でも、そのような状況下のセラーがいらっしゃいます。現在、クロージングの日まで、私たちができるのは、弁護士、バイヤー側のエージェントと、密なコミュニケーションをとり、全て段取り通り行っているか、通常以上に、フォローアップしていくことが、必要だと思っています。なんでも先手先手で、大概のことは、解決、回避できると思います。

先日も、不動産弁護士と、話をする機会がありましたが、現在も、クロージングはまず問題なく行われているようです。契約はそう簡単に、解除できるものではなく、また、買い手もすでに払っている、手付金だけ失えば、契約を逃れられるというものではありません。契約違反で訴訟問題、損害賠償もありえます。それほど、契約書というのは、重要なものです。

もちろん、この時期、通常では起こらない、いろんなん問題が発生することも確かです。例えば、投資物件の売買契約で、そこを賃貸しているテナントがクロージングまでに、退去する事が条件となっているにも関わらず、テナントが、クロージング前までに退去しなかった場合。通常は、オンタリオ州のランドロード、テナント法令に則って、テナントに強制退去を命じれますが、現在の非常事態宣言により、大家さんは、テナントを強制退去できないことになっています。したがって、その場合、大家さんである、セラー、テナント、そして、買い手、買い手のエージェントと契約に関わっているもの全てが、コニュニケーションを取り、相互に納得の行く方法を見つけることが、大切となります。非常時には、形式通りにいかないことも出てきますが、臨機応変に、解決策を見つけるため、オープンコミュニケーションが非常に大切となってきます。

ちなみに、この非常時でも、不動産弁護士は、オンラインで対応しておりますし、ランドレジストリーオフィス(登記登録)も稼働しております。この時期でも不動産売買が必要なお客様には、できる限りのお手伝いをさせていただきます。何かご質問などありましたら、いつでもお気軽のお問い合わせください。