本日、Toronto Regional Real Estate Borad (旧名 Toronto Real Estate Board)が、異例の4月中間報告を出しました。通常は、月初めに前月の統計が出るのですが、今回は、コロナの影響で、4月1日から17日までの前半期の統計がでましたので、ご報告します。

まず、売買件数は、全体で、1,654件これは、前年同時期比、69%減です。また、平均価格に関しては、$819,665で、同様に、前年同時期比、1.5%減となります。ちなみに、今年第一四半期のピーク時の平均価格と比較すると、9.5%減となります。

売買件数の極端な減少現象は、もちろん、コロナウイルスに関する、非常事態宣告が出た3月から、状況が変わり、それまでの急騰とも言える、春季市場から一変し、どうしても売らなければならない売り手と、購入が必要な買い手以外は、市場から離れたことが大きな原因となります。

特に売買に影響を受けた物件のタイプとしては、都心のコンドミニアムと、2ミリオン以上の高級住居でした。コンドミニアムは、ファーストタイムバイヤーの購入が多く、ある程度、購入時期に融通が聞く購入者が多いので、一時、購入を見送るケースが多いのと、価格の高い住居も、そういった意味で、住宅購入に緊急を要しないケースが多いためと思われます。また、たくさんのコンドミニアムのビルが、住居人以外の立ち入り禁止例を出した事も、購入件数に影響を与えていると思われます。

コロナウイルスに関する、非常事態宣告が出てから、不動産市場もたくさんの影響を受けていますが、今後、市場がどのように動くのか不安を持たれる方の多いかと思います。もちろん、このコロナウイルスの収束にかかってきますが、現段階では、オンタリオ州では、ピークを超えたようで、これからビジネスの再開をどのように行うかを検討中とのことで、数日中その案件が発表されるようです。その方向で行くと、第2四半期に関しては、コロナウイルスの影響下、市場売り物件、購入者ともにまだ低い状況で、価格的にも、前年同時期とほぼ変わらない価格を保つのではないかと思われますが、夏以降、徐々に市場が戻ってくることが予想されます。市場回復は、秋期市場頃にはさらに加速され、結果的に、今年、2020年の平均売買価格は、昨年度とほぼ変わらないところに落ち着くのではないかというのが、トロント地区不動産協会の見解です。

今回のコロナウイルスに関する非常事態宣告による、ソーシャルディスタンスや、ビジネスの休業などによる、経済の停滞の影響は、不動産市場にも大きなインパクトを与えていますが、これは、経済的な非常事態ではなく、健康上の非常事態です。トロント地区不動産市場に与える影響は一時的なもので、長引くことはないでしょう。

その他、家のタイプや、エリア別での市場の状況など、詳細をご希望でしたら、お気軽にお問い合わせください。