さて、新型コロナウイルスの影響で、トロント地区の不動産も、この時期、売買仲介などの仕事は、できるだけ、この時期にどうしても売買が必要な方のみに、限られており、必然的に、3月の後半から、一斉に、売買の活動が収まっています。この状態が後しばらくは続くと思いますが、その後の不動産市場がどのような動きを見せるのか、それを予想するためにも、まずは、過去を振り返って、長期的に、グレータートロント地区の不動産市場がどのように変化してきているかを見ていきたいと思います。

上記、上の表は、過去40年にわたって、トロント不動産協会取り扱いの住宅売買の状況です。青のグラフが、売買件数、赤が、平均価格です。

これを見ると、売買件数、平均価格が相互に比例していることがわかります。(件数が先行し、その後、価格を伸ばしている感じ)そして、この40年間の中で、価格は、1989年のバブルの後の数年間、2008年9月に始まるリーマン・ショックからの、経済危機の時期、そして、2017年4月に12ポイント、オンタリオフェアーハウジングプランの法令による、政府のによる、住宅売買の規制が出された後から2019年前半まで、約2年間の計3回、価格調整があり、値下がりが見られましたが、全体的に、右肩上がり、年間平均、5〜6%の割で、上昇し続けています。

2つ目の表は、もう少し詳しい近年、2000年から、2020年までの売買数と、平均価格を示しています。(ここでは、青のグラフが、平均価格、赤が、売買件数です。)先に述べた、2008年9月に始まった、経済危機の折、アメリカでは、住宅価格の暴落も大きく、その影響がかなり長引きましたが、グレータートロント地区では、2009年の5月には、値段が回復しています。また、次の価格調整である、2017年4月以降の数年間については、グラフを見ると、その前年から価格の異常な上昇を見せているのがわかります。そして、この2017年4月に政府の介入があったおかげで、その値段上昇が、調整され、あるべき値段に落ち着いたと言えるでしょう。青いグラフの2016年の山になっている部分を除くと、グラフはなだらかな上昇となることがわかります。

このように、グレータートロント地区の住宅市場は、それほど大きな上下の動きを見せることなく、売買件数、価格ともに、上昇してきております。

このグラフは、今年2020年の初めで終わっていますが、その後、新型コロナウイルスのパンデミックが始まる3月中旬までのグレータートロントの不動産市場はどのような傾向であったかについて、次回お話しさせていただきます。