さて、2019年1月も半ばになりましたが、先日出た、2018年度の年間のトロント、GTAの住宅市場の統計について、ご案内いたします。

下記表にありますように、2018年度の、年間住宅売買件数は、77,426件となりました。この件数は、前年比、16.1%の減少となっています。また、平均売買価格については、$787,300で、前年比、4.3%減となります。

価格について、この内訳を見てみますと、値下がりは、主に、トロント市外、それも、一軒家の価格の高額な住宅に顕著に現れており、実際、トロント市内のコンドミニアムは、前年より、8.7%値が上がっており、トロント市内のみで見た場合、2018年度は、2017年度の価格より、若干増し、という統計結果となっています。

 

さて、今後の市場傾向を探るためにも、過去4年間の平均価格の以降を下記表でご覧ください。2015年からの月単位での平均価格の移行ですが、毎年、同様のシーズナリティーで、若干の値段の上下推移をしながら、毎年値が上がっているのですが、この中で、2017年2月から4月の間だけ、かなり飛びぬけた価格上昇の動きがあります。その後、価格が下がり、2018年末にも、2017年春の記録の価格にまで達していない状況です。これをみますと、いかにトロント、GTAの市場が、2017年の著しい、異常なほどの急騰から、調整されていったかが分かると思います。仮に、このように2017年の5月以降からの値段調整がなく、値段上昇が続いていたら、USの2008年秋のリーマンショックのような、不動産市場のクラッシュが起こることになった可能性は充分あります。そう考えると、2017年5月から、昨年にかけての、トロント、GTAの不動産の値下がりは、手遅れにならない価格調整が起こったということで、良い結果をもたらすことになったと思います。

 

そして、これから、2019年の市場がどのように動いていくかですが、2018年度は、結果的に、2017年度より、平均価格が下がっているとはいえ、2018年の下半期全体で見た場合、前年2017年の下半期より、平均価格は上がっており、同行としては、上向きの方向に向かっています。カナダの不雇用者率も、過去40年来の低さを記録し、モーゲッジの金利もまだ低く保たれている現状ですので、昨年、修正された不動産市場は、今後は、緩やかな伸びを見せていくと思われます。特に注目すべき点は、現在、まだコンドミニアムの価格は、セミデタッチトも含む、ローライズ家屋より、手ごろであるため、売買数、価格共に伸びていますが、そのコンドミニアムの平均価格と、ローライズ家屋の価格差が、狭まっていることです。そのため、また、ローライズ家屋のセールが伸びていくと共に、コンドミニアムの売れ行き、価格もある程度収まるのではないかと思われます。