Soldのサインがはめ込まれる時は、リスティングエージェント(売り手側のエージェント)としては、ひとつの仕事をやり終えた安心感で満たされるときです。先日、市場に出した家も、数日で、オファーが入り、スムーズに契約書も結ばれました。でも、正式にSold のサインを掲げられるのは、契約書がサインされた5日後でした。その日が、正式にSold(Sold Firm)ということです。では、契約書が交わされてから、Sold Firmまでの間はというと、この期間は、Sold Conditionということで、条件付で、売れたといういわゆる仮売却のような期間となります。その間は、売り手としては、他のオファーを受け入れることも出来ず、ひたすら契約書にうたっている期間以内に条件が満たされ、正式売却になるのを待つのみです。

家を購入する際、通常、正式契約となるまでに満たされなければいけない条件が入っていることが、よくあります。いずれも、バイヤー側からのバイヤーのプロテクションとしてのもので、その条件が、契約に記載された期間内に満たされない場合、バイヤーは、契約を解約でき、手数料などなして、デポジット(内金)も返却されます。以下によく使われる条件を記載します。

1.Condition on Financing

バイヤーが、正式にモーゲッジ(住宅ローン)を組めるという条件。通常、家を購入することを決めると、まず、銀行もしくは、モーゲッジブローカーなどを通し、いくらのローンがどんな金利で組めるかを知るため、いわゆる、プリアプルーバルをとります。銀行(金融機関)は、申請者のクレジットレコード、収入額、負債、資産など統括的にみて、審査しますので、プリアプルーバルが取れれば、まず、その額のモーゲッジは組めると見て大丈夫です。しかし、その段階では、どの物件を購入するかという情報はありませんので、購入が決まって初めて、銀行(金融機関)も、その物件の価格査定をし、購入額がその物件の価値に見合ったものか確認し、初めて、commitmentという正式書類を発行します。したがって、プリアプルーバルをもらっていても、バイヤー側としては、Financingの条件を入れることは、賢明です。期間は、通常、契約書が交わされてから、週末、祝日を除く、5日間です。

2.  Condition on Home Inspection

これは、通常、家を買う際、よく使われる条件です。特にトロントの家は、築100年というのも珍しくありません。一件きれいな様でも、どこに隠れた問題が潜んでいるか分かりませんし、大出費になるのを防ぐため、バイヤーとしては大切な条件です。ホームインスペクターは、2,3時間かけて、屋根の上から、家の外周り、地下、下水、電気の配線など、すべてをインスペクとしますので、バイヤーを一緒に家を見て回り、家のことを学ぶいい機会にもなります。また、インスペクション後、すべてのインスペクションの内容、修理必要箇所、コストなどを含めたレポートがもらえます。期間は、通常、契約書が交わされてから、週末、祝日を除く、3日から5日間です。

また、トロントの地区によっては、シロアリの被害が多いところもあり、ホームインスペクションと別に、ターマイツ(シロアリ)インスペクションも時々、条件に入れられます。

3、Condition on Status Certificate

これは、コンドミニアムのみに適用されます。Status Certificateは、コンドミニアムコーポレーションを管理している管理会社が、作成するレポートで、そのコンドミニアムの経済状況、いくら貯蓄金があるか、各ユニットオーナーの管理費の将来的な、値上がりスケジュール、さらに、コンドミニアムの規則、ルールなど細かく記載されています。この条件は、バイヤーが、弁護士に最新のコンドミニアムのStatus Certificateの内容を確認してもらい、問題がないことを確認するのが目的です。コンドミニアムを購入する際には、まず、この条件は含まれます。期間としては、レポートが弁護士の手に渡ってから、2~5日以内が通例です。

売り手にとっても、買い手にとっても、きちんと段階を踏んだ上で、条件が取り除かれ、正式契約(Sold)となるのが理想的ですね。