新築の不動産の購入でかかるHSTと、政府の還付金について

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 リセール(中古)の家には、HST(Harmonized Sales Tax)がかからないことは、皆さんご存じかと思いますが、新築の家やコンドミニアムには、基本的にHSTがかかります。税率は13%ですから大きいです。しかし、資格が満たされれば、政府からリベートがもらえますので、購入者の負担はかなり減ります。

政府が出している新築の不動産の購入にかかるHSTのリベートは、New Housing Rebate(NHR)といいます。このリベートがもらえる資格として、購入した物件が購入者もしくはその肉親(配偶者、両親、子供、兄妹、祖父母)の Primary Residence としたもので、建築完成後、そこに住むことが条件となります。投資での購入などで、自分や肉親が住まない場合は、このリベートの対象外となります。

では、新築の家やコンドミニアムを購入する場合、不動産価格に13%追加した金額を支払って、その後、リベートの申請をするのかといえば、実は、そうではありません。
実際、ビルダー(建築業者)が出している提示価格には、HSTがすでに含まれています。正確に言うと、リベートで政府からもらえる額を差し引いた分のHSTが含まれています。ビルダーは、購入者に代わって、リベートを政府に申請して、返金をもらうことを見越し、価格を少しでも低くするため、そのリベートも見込んで、値段をつけているのです。
何ページもあるビルダーの契約書の中に、そのことも明記してあります。したがって、購入者が自分や肉親が住むために買った場合は、HSTのことを考慮する必要もなく、また、リベートの申請も必要ありません。

ところが、このリベートの資格がない購入者の場合、すでに値引きしてあるリベートの分を、最終的に、ビルダーに支払わなければなりません。この値段の仕組みを知らないで、クロージングの前になって初めて弁護士から残金明細を聞いてびっくりする購入者も少なくありません。家の価格にもよりますが、リベート分だけで、最高、$31,000にもなります。

このように、投資で新築の物件を購入する場合は、HSTの New Housing Rebate 額相当を不動産価格に追加でビルダーに支払わなければなりませんが、そのような投資家の方にも政府が出しているリベートがあります。これは、New Residential Rental Property Rebate(NRRPR)と呼ばれ、NHRと同額のリベートがあります。

このリベートをもらう資格として、(1)新築の不動産物件を購入してHSTを支払っている。(2)1年のリース契約を結んで購入した物件を賃貸している──が必要となります。また、申請はクロージングの日から2年以内にカナダ国税局にしなければなりません。規定を満たし、必要書類を提出したら、通常2、3カ月でリベートが戻ってきます。

ですので、投資として、家を買う場合は、購入後、最低1年はリース契約を結んで誰かに貸すことをお勧めします。ちなみに、このリベートはカナダ住居者だけでなく日本に住んでいる方でも条件さえ満たせば、対象となります。

最近の不動産建設ブームで、カナダ国税局は、自分が住むわけでない投資物件をそのように申請せず、クロージングの折に New Housing Rebate を使う購入者を厳しく取り締まっています。実際、カナダ国税局は、新しいコンドミニアムなどを訪問して、住んでいる人はオーナーであるか、テナントなのかなど調べています。

オーナーが住むことになっている家に他の人が住んでいることが分かれば、HSTリベートの返却請求のみならず、クロージングの日からの金利、ぺナルティーまで請求してきます。その請求がきてから、リース契約があるからといって、NRRPRを申請しようとしても、2年の期間が過ぎてしまっていて、それも申請できないようなケースも多いです。

新築の物件を投資として購入する場合は、最終支払い金額にHSTのリベート額も考慮して準備し、最低1年のリース契約を結んで、New Residential Rental Property Rebate を申請するのがよいでしょう。
ちなみに、新築の不動産を購入して、建設完了後、すぐに売却すると、このリベートがもらえないばかりでなく、所得税にも関係してきます。詳しくは、お問い合わせください。

  • e-Nikka2015年9月号に掲載
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